また契約の工程には、契約書の作成、法務レビュー、締結、契約先とのやり取り、締結後の管理、更新時や変更時の情報の引き継ぎなど、多岐にわたる業務がある。

「契約だけでなく、どんな業務も情報やタスク、書類のバトンパスで成り立っている。バトンの受け渡しをするための道やトラックが決まっていれば業務はスムーズに進むが、何の目印もないフィールドでバトンを渡す相手を探すような状態では、バトンパスは難しい。だが、契約業務の現場では(関係者や工程の多さから)それが起こっている」(笹原氏)

 つまり、契約領域でDXを進めるための各種ツール(電子印鑑・電子署名、契約書の電子文書化、契約書作成・チェックを支援するリーガルテックなど)のデジタル化は進んでいるが、それらはつながっていないのが実態というわけだ。

 そこで同社では、契約書の作成から法務レビュー、承認、締結、管理までの業務を線でカバーし、紙をベースとした契約業務のデジタル化、プロセス化を進めるステップの特につまずきやすいポイントで、企業の支援を図っているという。

 例えば、Wordで作成した契約文書をクラウド上から編集する機能や、法務部門・担当者への相談機能の強化など、機能のつなぎ込みやUX改修によって、より契約業務で迷いにくく、法務部門以外の関係者にも使いやすくしている。

「契約業務のひとつひとつの作業の効率化に着目した“点”のデジタル化でなく、一連の業務を“線”として改革に取り組むことが重要だ。点の変革でも多少業務は楽になるし、担当者個人のレベルでは改善になるが、会社としてのインパクトは少ない。またバトンパスにメスを入れることは大変ではあるが、線の変革でなければPDCAも回りにくい」(笹原氏)

契約DXの成熟モデル図 画像提供:Holmes契約DXの成熟モデル図 画像提供:Holmes
拡大画像表示

 では実際に、契約業務のDXを現場で進める企業には、具体的にどのような課題があり、それをどのように解決しているのだろうか。