「元気だから」と思っても、健康保険が重要な理由

 聞けば、尿管結石で手術をし、2泊3日ほど入院した費用だとのこと。「健康保険証がなく、全て自己負担になっちゃって」と笑っています。その後、毎月1万円弱の医療費がかかっていましたが、それも術後の経過確認の通院による費用とのこと。医療費を全額自己負担していたのです。ここで、会社を退職後、健康保険に加入していないことが分かりました。また、国民年金保険にも加入しておらず、さらには民間の生命保険にも未加入。万が一、病気をした、ケガをした、障がい者になったというときに頼れる保障が何一つない状況だったのです。

 さすがに今回の入院により、健康保険には加入しなければと思ったと言いますが、その後さらに4カ月放置しています。日本では、健康保険に加入することで医療費が3割負担で済みます。これが全額負担となると、簡単に病院にかかることもできません。今は病気の治療が一つ終わってホッとしているところでしょうが、この先さらに年齢を重ねると、病気になる可能性は高くなります。倒れた時に健康保険に入ろうなどと考えていては間に合いません。早急に国民健康保険へ加入することを勧めました。

国民年金が重要な理由

 また、国民年金保険についてもそのままにしておけません。バブルのころは、自営業の方などでは「年金なんて、払っても返ってこない」などと言い、納付しない人がいました。しかし、この年金制度というものは老後の年金だけではなく、遺族年金、障害年金と、その時の状況により形を変えて給付されるものです。扶養している人がいなくても、ご自身が病気やけがで障がい者になるということはあり得ます。