「全否定」ではなく、
「評価すべきは評価」する
また前経営陣の全否定は、時に「○○社長」ではなく、「○○さん個人」へのダメ出しにもなりかねません。
経営に関することだけでなく、前社長個人の人格まで否定するかのように徹底的にけなすようなことは絶対にするべきではありません。
必要なのは、前任者が会社経営に関して何ができて何ができなかったか、何を成功させて何を間違えたかという「社長という役割を担っていた人」としての評価をすること。
たとえ人として嫌なヤツだったとしても、従業員を前にした場では単なる個人攻撃になってはいけないのです。
新たに着任したリーダーは、前任者の方法論に対して「否定のため」ではなく「今後に活かす検証のため」に向き合うことが大事だと、私は考えています。
過去(前任者)を頭から否定せず、過去からも謙虚に学び、過去を活かす。前任者がたどってきた経営の経緯や実績を、冷静かつフラットな目できちんと検証すれば、今後の再建・再生に活かせるヒントや気づきが見つかるかもしれません。
否定すべきは否定するけれど、評価すべきもきちんと評価する。
そうした検証をした上で「やはり変更が必要」となったら、正々堂々と変えていけばいいのです。
※「よそ者リーダーとはどんな人か」「よそ者リーダーが身につけたい3つの心構えやマネジメントとは何か」については、本連載の第1回も併せてご覧いただければと思います。
(次回は、新任リーダーにとって御法度の「後出しジャンケン」についてお伝えします)