ロシア財務省は、政府系ファンド(SWF)「ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)」からドル建て資産を排除する方針を明らかにした。米国から制裁の脅威が続く中、経済のドル依存低下を加速させる。NWFは同国の石油収入を運用しており、規模は1860億ドル(約20兆5100億円)程度。ロシア財務省によると、同ファンドのドル資産保有は現在の35%からゼロになる。今後は資産の大半をユーロ、人民元、金で運用するとしている。今回の動きは、中国とロシアが関係強化を図る中で、人民元の役割をさらに強めそうだ。ロシアのアンドレイ・ベロウソフ第1副首相はサンクトペテルブルク経済フォーラムの合間に、「これは理にかなった決定であり、米国指導部から繰り返し受けている制裁の脅威に関連したものだ」と述べた。