「10秒アクション」は
心理的にも物理的にも効果大

 そこで、「10秒アクション」の登場です。10秒アクションとは、文字通り「10秒あればできる具体的行動」のことです。30分の英語の勉強であれば、「最初の10秒はどんなことをするのか?」を考えてみるのです。

 例えば、「英語のテキストや英単語帳を開く」「英字新聞の表紙を眺める」「英語のCDを聴く」「オンラインのプログラムにログインする」といったことです。これらの10秒アクションであれば、どんなに忙しくても眠くても、10秒あれば必ず実行できます。

 10秒アクションは、行動に着手する際の心理的ハードルも物理的ハードルも両方下げてくれます。「疲れているけど…10秒ならいいか、テキストを開くくらいならいいか」となるのです。

 10秒アクションは、私がメンタルコーチとして独立した当初から提唱し続けているとてもシンプルなメソッドです。毎日10秒でいいので「自分の望む姿に近づくためのアクションをする」ことをおすすめしています。

 10秒は、あなたが思っているよりもたくさんのことができる時間です。そして何よりも、この10秒アクションは10秒で完結させる必要はないのです。10秒アクションは、あなたが決めた仮行動に着手するための着火剤の働きをするからです。

 ですので、10秒試してみてスムーズにいくのであれば、10秒といわずそのまま続けてください。10秒アクションがきっかけとなってその後、勉強、読書、ジョギング、筋トレ、散歩、片付け、仕事などが15分続いた、30分続いたというのは、よくあることですし、それを狙っています。

 もし10秒アクションがうまく機能しなかったら、たった10秒ですから、すぐに別の方法を試すこともできます。

 不安を希望に変えていくために、希望の未来を描くことから始めてみてください。

◎大平信孝(おおひら・のぶたか)
目標実現の専門家、メンタルコーチ、株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。長野県生まれ。中央大学卒業。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。その卓越したアプローチによって、日本大学馬術部を2年連続全国優勝に導いたほか、オリンピック選手、トップモデル、ベストセラー作家、経営者をはじめ、1万5000人以上の目標実現・行動革新サポートを実施。その功績が話題となり、日経新聞、日経ウーマン、プレジデントなど各種メディアからの依頼が続出している。
現在は、法人向けに、チームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供している。公式webサイト:http://an-i.info/