半導体業界の覇権を握る戦いは、常に激烈だ。1980年代、世界を席巻したのは日本の半導体メーカーだった。続く90~2000年代は、米インテルが長きにわたり王座に君臨した。そして今、時価総額60兆円と圧倒的な巨人となったのは、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)だ。米中が奪い合う、世界で最も重要な半導体企業である。しかしTSMCにとっては、これからこそが経営の正念場だ。特集『世界を動かすTSMC』は台湾メディア「財訊」の特集を基に、6月14日(月)から18日(金)までの全5回にわたって、TSMCが4年がかりで挑む戦いを伝える。
#1 6月14日(月)配信
TSMCの熊本工場は「検討」に終わる!“半導体4年戦争”勝利が最優先
台湾TSMCが日本の熊本での工場建設を検討しているという観測が浮上した。だがこの構想が実現する可能性はいまだもって極めて低い。最優先の経営課題として、TSMCはこれから4年に及ぶ、自社の存亡を懸けた半導体戦争に突入しようとしているからだ。半導体産業の最強王者、TSMCが始める壮絶な産業戦争を全解剖する。
#2 6月15日(火)配信
TSMCが仕掛ける半導体4年戦争、「特需」にありつく日本企業18社を全公開!
TSMCが社運を懸けて挑む「4年戦争」。装置や材料のサプライヤーも、この戦いと無縁ではいられない。それどころか戦争特需よろしく、TSMCからの需要で稼ぎ時になる可能性が高い。TSMCが高く評価し、「戦友」に選ぶ日本のサプライヤーはどこか?
#3 6月16日(水)配信
TSMCの時価総額はトヨタの倍の60兆円まで急騰、株価を左右する「2つの鍵」とは?
深刻化する半導体不足を受け、TSMCに対する投資家の注目度は右肩上がりだ。株価は過去1年間で倍に膨らみ、時価総額は60兆円前後、トヨタ自動車にほぼダブルスコアという水準で推移している。このTSMC株の先行きを占う上で、二つの重要な鍵があるという。
#4 6月17日(木)配信
「中国は脅威じゃない」TSMC創業者が唯一恐れる企業の名前【激白1時間】
護国神山(国を守る神の山)とまで台湾で呼ばれるTSMC。実のところ、世界のハイテク産業までも支えている。この世界最重要企業を生み出したのが創業者、張忠謀(モーリス・チャン)氏だ。彼は経営の最前線を退いた今でも、自社と半導体産業の未来について明確なビジョンを持っている。ゴッドファーザーの「1時間の激白」を詳報。
#5 6月18日(金)配信
TSMCにインテルが宣戦布告!半導体の前王者が「巨額投資」で狙うリベンジ劇
TSMCにとって米インテルは、顧客でありライバルでもあるという複雑な相手だ。そのインテルが新しい経営トップの下、半導体製造への巨額投資を打ち出した。これはTSMCにとって事実上の宣戦布告だ。
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