有名講師をそろえる大手予備校に、映像授業、個別指導、通信添削……。目標は志望大学合格という一つでも、そこに至るまでの受験勉強の場と方法は千差万別だ。東大ほか難関大学の合格者数だけで選ぶと後悔することもある。特集『入試・就職・序列 大学』(全23回)の最終回では、受験生のタイプに合った予備校・塾の選び方を伝授する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
難関大への合格者数だけで
判断するのはNG
集団授業に個別指導、通信添削に家庭教師……。大学受験を目指す受験生とその親の多くが初めに悩むのが、どの学習サービスを選ぶべきか、ということだろう。
しかし、各予備校や塾のウェブサイト、校舎掲示板などで「東京大学○○人合格」とうたっていても、うのみにしてはいけない。
特待生として初めから難関大学に合格できそうな生徒を大勢集めていたり、超進学校の生徒だけを対象に短期間の人気講師による無料講習を開き、そのときだけ物珍しさで集まった生徒を受講生としてカウントしたりと、「世間の受け止め方と違った、ある意味で水増しされた合格者数であることも少なくない」(大学受験の大手予備校幹部)からだ。
ならばと、口コミサイトなどをあまり信じ過ぎるのも考えものだ。巧妙なステルスマーケティングの可能性は言うに及ばず、たとえ本当の感想が記されていても、その受験生が高い受講料を払って成績が伸びなければ、どうしても駄目な予備校・塾とコメントしたくなる(その逆もしかり)のが、やはり人情だからだ。
「結局、その生徒の性格や出発点になる学力、そして志望校で、最適な指導や予備校・塾が変わってくる」(同幹部)と心得よう。
そのことは、たとえ四大予備校(駿台予備学校、河合塾、代々木ゼミナール、東進)に絞っても同じだ。それぞれに講師のタイプや指導法などで特徴があり、どのような生徒に向いているかによって選び方が変わってくる。また、リクルートホールディングスの子会社が運営する「スタディサプリ」のように、新たな学習サービスが生まれ、業界地図も変化し続けている。
そこで次ページに、受験生のタイプに合った指導法別の特徴と、四大予備校を含んだ主な予備校や塾、学習サービスについて、それぞれの特徴を記したリストを掲載した。
学習サービスは大学受験をはじめ基本的に高い買い物だ。予備校・塾選びの第一歩として、参考にしてほしい。