エネルギー分野にもデジタル化の波Photo:123RF

エネルギー分野にもデジタル化の波

 ポストコロナ時代の成長を促す原動力として、「グリーン化」と「デジタル化」が推し進められている。気候変動への対応を成長の機会と捉え、カーボンニュートラルの実現を目指すグリーン化の促進と、情報通信技術(ICT)やAIなどの技術を駆使したデジタル化の取り組みが広がっている。

 2010年代から急速に進展したデジタル化は、経済や社会に大きな変革をもたらしてきた。世界銀行が16年に刊行した報告書「Digital Dividends」によると、デジタル化がもたらす直接的な変化は、情報アクセスの改善、自動化技術の普及、プラットフォーム企業の台頭――であるという。

 こうした変革の波は、脱炭素社会に向け転換を迫られている既存のシステムやビジネスモデルにも影響を及ぼしている。本連載の最終回となる今回は、温室効果ガス排出の8割以上を占め、脱炭素化への早急な取り組みが必要とされているエネルギー分野におけるデジタル技術を活用した取り組みに着目する。