世界一の保険会社で、マネジャーをしてわかったこと

 もちろん、全国トップのライフプランナーとして、私なら全国1位のチームを作れるはずだと、自信満々でマネジャーになりました。

 ですが、現実はそう簡単なものではありませんでした。

 私が最初に任されたチームは、それほどいい成績を出していたチームではなく、全国ランキングでも下から数えたほうがむしろ早いかもしれない、いわば平凡なチームでした。

 弱いチームのほうがやりがいがあると意気込んでいましたが、最初の1カ月を経過してみると、チームの成果は思ったようには出てきません。ランキングは全国でも、変わらず下から数えたほうが早い。自分がライフプランナーとしてやってきたことをモデルに、メンバーに懇切丁寧に指導したにもかかわらず、です。

 翌月も、その傾向は変わらず、むしろ下降していました……。

 そんな状態が半年続き、頭を抱えるようになりました。

 ライフプランナーとして、全国1位の成績を残した私のやり方を余すところなく教えた。なのになぜ、チームの成果は伸びないのか。こんなはずではないのにと、苦しい日々が続きました。「このままではいけない」

 そう考えた私は、考え方を変えることにしました。ライフプランナー時代に信じてやってきた自分流はすべて捨てて、マネジャーとして一から出直そう。

 そのために、全国のすぐれたマネジャーの分析を始めました。

 これまでの経験から、売れる人と売れない人に法則があることはわかっていました。だから、成果を出せるマネジャーと出せないマネジャーにも法則があるはずだと思ったのです。その一心で、必死に研究しました。

 分析といっても、ただ机にかじりついていたわけではありません。休日も返上し、西へ東へ日本全国のマネジャーを訪ねて、話を聞かせてもらいました。もちろん会社はそんなことのために交通費を出してくれませんから、自費です。

 こうした行動の結果、成果を上げるマネジャーと、そうではないマネジャーには明確な違いがあることがわかりました。そして、それは生まれ持っての才能などではなく、あとからいくらでも身につけることができるものでした。

 それを実践した私は、どうなったか?

 私は見事に、マネジャーとして活躍することに成功し、冒頭にお話ししたような成果を残すことができたのです。

 その後も、マネジャーとして、さまざまな組織に携わり、またマネジャーの教育や研修に携わったことで、できるライフプランナーとそうでないライフプランナーの違い、さらには、できる組織とできない組織の違い、結果を出せるマネジャーと出せないマネジャーの違いが、はっきりとわかるようになりました。