これは認知的不協和の典型的な例だ。ジョー・バイデン米大統領は、気候変動対策の名の下で、米国の原油・ガス生産を減らして世界の化石燃料供給を抑制することを明確な政策目標に掲げている。しかしバイデン政権は現在、石油輸出国機構(OPEC)に対し、原油増産を求めているる。米国のガソリン価格をバイデン政権下でこれ以上上昇させたくないからだ。6日の原油相場は、OPECとロシアが参加した会議で、各国の原油生産割り当て拡大の合意が達成できなかったことを受け、6年ぶりの高値に達した。昨年春には、新型コロナウイルス感染症拡大によるロックダウン(都市封鎖)や、サウジアラビアとロシアの対立を受けて原油相場がバレル当たり20ドル(約2200円)に下落したため、OPECは生産割り当ての削減を決めていた。
【社説】OPEC増産と国内減産を要求するバイデン氏の矛盾
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