コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4~6月度のファストフード編だ。
丸亀製麺が「2カ月間だけ」
王者マクドナルドに圧勝
ファストフードの主要4社が発表した4~6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯マクドナルド(日本マクドナルド)の既存店売上高
4月度:前年同月比109.2%(9.2%増)
5月度:同105.7%(5.7%増)
6月度:同114.7%(14.7%増)
◯ケンタッキー(日本KFCホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
4月度:前年同月比90.9%(9.1%減)
5月度:同104.4%(4.4%増)
6月度:同108.2%(8.2%増)
◯モスバーガー(モスフードサービス)の既存店売上高
4月度:前年同月比112.6%(12.6%増)
5月度:同120.5%(20.5%増)
6月度:同111.0%(11.0%増)
◯丸亀製麺(トリドールホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
4月度:前年同月比184.0%(84.0%増)
5月度:同147.9%(47.9%増)
6月度:同109.1%(9.1%増)
4~5月の数値を見ると丸亀製麺が、4月は184%(84.0%増)、5月は147.9%(47.9%増)とぶっち切りの絶好調だった。マクドナルドやモスバーガーに「大差」をつけている。一方、6月の数値を見るとマクドナルドが114.7%(14.7%増)で王者に返り咲いた。
これまで本連載で取り上げてきたように、コロナ禍で丸亀製麺の既存店売上高は伸び悩んでいた。コロナ禍でも安定的な既存店売上高を維持してきたマクドナルドと対照的だ。それにもかかわらず、なぜ丸亀製麺は4~5月の2カ月間だけマクドナルドに圧勝できたのだろうか?