血糖値は食後30分~1時間ころピークに達するので、食事の1時間後に血糖値を測って、140mg/dlを超えていたらほぼ間違いありません。かくれ高血糖が潜んでいます。

「かくれ高血糖」を放置すると…

 セルフチェックで「かくれ高血糖」の可能性が高いことがわかったら、あるいは、実際に食後血糖値を測ってみて140mg/dl以上あったら、残念ながら、すでに血管の老化がじわじわ始まっていると考えるべきでしょう。

 かくれ高血糖を放置していると、その大事な内皮細胞が傷つけられて、本来担っている血管を守る機能を十分に果たせなくなります。そして、「動脈硬化」という血管の老化が始まっていくのです。

 また、かくれ高血糖を放置していると、インスリンの効きも悪くなっていきます。すい臓からインスリンが十分に分泌されていても、効きが悪いために血糖値が下がりにくくなってしまうのです。

 専門用語では「インスリン抵抗性が高まる」と言います。インスリンの効きが悪くなれば、さらにたくさんのインスリンを出さなければいけなくなって、糖尿病の発症にももちろんつながりますし、先ほど紹介したように、がんや認知症にもつながっていきます。

 これまでは、高血糖状態が続くのが良くないと思われていましたが、じつはいちばん良くないのが、「変動幅が大きいこと」でした。食後にグーンと上がってグーッと下がる、その繰り返しこそ、血管の老化を進める元凶だったのです。

 血管は全身をくまなく巡り、全身の細胞に酸素と栄養素を届けています。その血管が老化するということは、すべての老化現象を後押しすることになります。全身の病気だけではなく、シミ、シワ、白髪といった見た目の老化も含めてです。