なお、松山商は戦後のごく一時期、松山東高に吸収されて同校の商業科となっていた。その間の1950年夏には松山東高として甲子園に出場し全国制覇している。このときの4勝を加えると通算は60勝となる。また、1分とあるのは、1969年夏の決勝戦、三沢高との延長18回引き分け再試合である。

 第2位は龍谷大平安高(61勝31敗)。現在の校名になったのは2008年のことで、年配の方には平安高の方がなじみがあるかもしれない。戦前からの名門だが、初出場したのは1927年と昭和になってから。予選の同地区(かつては京滋、現在は京都)に強力なライバルが少なかったことから出場回数も34回と、北海高(今大会が39回目)、松商学園高(今大会が37回目)に続いて全国第3位。平成に入ってからも着実に勝ち星を重ねており、当分2位は維持しそうだ。

空前の3連覇!
中京大中京高が堂々の第一位!

 夏の大会で全国最多の勝ち星を誇るのは、多くの通算記録部門でトップに立つ中京大中京高(78勝21敗)。夏の通算勝利数も78と2位には17勝もの差がある。1大会では優勝しても最大6勝しかできないうえ、2位の龍谷大平安高は今大会出場できず、当分1位の座は安泰だろう。

 戦前から、中京商、中京高、中京大中京高と名前を変えながら、一貫して全国トップクラスの実力を保ち続けている。そのため、第1回大会の頃から活躍していると思っている人も多いが、実は同校が創立されたのは、第9回大会が行われた1923年。大会当初にはまだ存在しなかった。

 しかし、1931年に初めて甲子園に出場すると、いきなり夏の大会で全国制覇、しかもそこから空前の3連覇を達成した。以来、平成初期に一時低迷したが、2009年夏にも全国制覇するなど、現在でもその勢いは衰えていない。ちなみに、現在までの通算試合数は99試合。今年の選抜ではベスト4に進むものの、夏は県大会準決勝で敗退。史上初の夏の大会100試合は来年以降に持ち越しとなった。

 今年の選抜を制した東海大相模高は、圧倒的な戦力を有して夏の県大会準々決勝まで勝ち進んだところで、新型コロナウイルスの集団感染でまさかの辞退。今年の夏は対戦相手だけではなく、コロナとの戦いも繰り広げながらの大会となる。