パリのシャンゼリゼ通りにあるブラッスリーで働くジュリアン・ゼルボス氏は9日、一部の客に入店を断った。欧州連合(EU)が新たに導入したデジタル健康証明書を持っていなかったためだ。フランスでは同日から、店内であれ屋外であれ、レストランで食事をする際は、新型コロナウイルスワクチンを接種済みであることを示す証明書の提示が義務付けられた。また、国内線のフライトや長距離のバス・電車に乗る際も証明書が必要となった。同国ではすでに7月から、美術館やプール、ジムの利用や大規模スポーツイベントの観戦など、さまざまな場面で証明書の提示が義務付けられている。イタリアでも6日から各種の活動にデジタル健康証明書の提示が義務付けられた。ただ、屋外席なら未接種でもレストランで食事ができる。こうした証明書はイタリアでは「グリーンパス」、フランスでは「健康パス」と呼ばれ、一人一人に付与されたQRコードに、ワクチン接種の有無、コロナ罹患(りかん)歴、検査結果などが表示される。