――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  米連邦準備制度理事会(FRB)に関して、経済運営が最も重要であれば、ジェローム・パウエル議長はおそらく再任に向かっているだろう。新型コロナウイルス禍への対応や最大雇用を重視する姿勢は超党派から高い評価を受けている。  だが、FRBは同時に金融規制当局でもある。これは本質的に金融政策よりも政治色の強い役割だ。来年2月に任期を迎えるパウエル議長の2期目続投はここにきて、民主党左派によって脅かされている。彼らは規制など金融政策以外の分野でもFRBが一段と積極的な役割を担うことを最も重視しているためだ。