米連邦準備制度理事会(FRB)に関して、経済運営が最も重要であれば、ジェローム・パウエル議長はおそらく再任に向かっているだろう。新型コロナウイルス禍への対応や最大雇用を重視する姿勢は超党派から高い評価を受けている。だが、FRBは同時に金融規制当局でもある。これは本質的に金融政策よりも政治色の強い役割だ。来年2月に任期を迎えるパウエル議長の2期目続投はここにきて、民主党左派によって脅かされている。彼らは規制など金融政策以外の分野でもFRBが一段と積極的な役割を担うことを最も重視しているためだ。パウエル氏が再任された場合、民主・共和両党から承認に必要な支持が集まることはほぼ確実だ。ここで問題となるのは、反パウエル陣営が別の人物を任命するようジョー・バイデン大統領を説得できるかどうかだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、バイデン氏の経済チームはおおむねパウエル氏再任を支持しているものの、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党、マサチューセッツ州)ら党内左派からの抵抗に遭っており、議長交代につながる可能性があると報じた。ウォーレン氏は今月、ブルームバーグテレビとのインタビューで「パウエル氏は繰り返し規制を弱め、FRBを規制緩和へと導き、大手金融機関を守っている」と語っている。
FRB議長再任、金融規制巡る「政治」が障害
パウエル体制下で銀行は健全性を増したが、民主左派は交代を要求
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