女医のズハル氏はこれまで車で出勤していた。だが今週に入ってタクシー通勤に変えた。かつて女性の運転を禁じていたタリバンからの制裁を恐れたからだ。だが、効果はなかった。タリバンがアフガニスタンを制圧して2日目、同氏は銃を携行したタリバンの男にタクシーから引きずり出され、むちで打たれた。国外退避を求め人々が殺到するカブールの空港周辺の混乱を窓越しに動画で撮影していたためだという。「帰宅の途中ずっと涙が止まらなかった」。フルネームを名乗ることを控えたズハル氏は、こう述べた。タリバンはアフガン制圧以降、前回権力を握っていた1990年代よりも一段と穏健さを増したと強調している。かつてはイスラム教スンニ派の戒律の解釈や女性の扱いで強硬な姿勢を鮮明にし、国際社会でのけ者扱いされていた。
アフガン女性、街から消える タリバン恐れ沈黙
女性の権利を巡り最悪の事態を懸念する声が強まる中、すでに公共の場から女性が姿を消している
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