東証再編#22Photo:123RF

来年4月に発足するプライム市場の基準を満たしていない東証1部上場企業は600社を超える。その大半が流通株式時価総額100億円に達していない中堅・中小企業だ。特集『東証再編 664社に迫る大淘汰』(全25回)の#22では、数十億円規模の時価総額しかない企業が、一体どのようにして高過ぎる壁を越えようとしているのかを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

プライム不適合企業664社の約9割が
流通株式時価総額100億円未満?

 6月30日時点で東証1部に上場していた2191社のうち、プライム市場の基準に達しなかったとして、東京証券取引所から通知を受けた企業は664社ある。

 プライム上場維持基準には、流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上といった幾つかの項目があるが、どの基準が未達だったかは各社によって異なる。流通株式比率が未達だった企業もあれば、流通株式時価総額と1日平均売買代金の二つの基準で未達だった企業もある。

 では、その内訳はどうなっているのか。ある証券会社の中堅社員は、試算値として次のような数字を挙げる。