倒産・廃業を回避したい中小企業への“熱い”支援策として注目が集まる事業再構築補助金。補助額はなんと最大1億円だ。第1回公募では約8000件の支援が決まり、採択率は42%。特集『廃業急増!倒産危険度ランキング2021』(全23回)の#17では、今後も公募が続くこの補助金を勝ち取る3つのコツを探った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
中小企業経営者必見「事業再構築補助金」
最大1億円がもらえるチャンス
「1億円も出るんだったら、大きな事業が計画できる。どうすれば(審査に)通るのか」――。
コロナ禍で業績不振に陥っているある外食企業の役員は、新設された「事業再構築補助金」をなんとか勝ち取ろうと頭を悩ます。
「ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促す」(中小企業庁)との目的で、3月から公募が始まった事業再構築補助金。
予算規模は約1兆1500億円に上り、売り上げの減少要件などを満たし、事業計画が採択されれば最大で1億円が補助される。資金繰りに悩む中堅・中小企業にとって魅力的な支援制度だ。
公募は5回にわたって行われる予定で、7月30日から9月21日にかけて第3回の公募を実施中だ。これを含め、まだ3回も補助金を獲得するチャンスがある。
今春の第1回公募の結果は既に発表されている。採択数を申請数で割った採択率は42%だった。この数字を高いと見るか低いと見るかは人それぞれだろう。しかし、42%の側に入れるかどうかで、企業の明暗は大きく分かれる。
補助金申請を手掛けたあるコンサル会社は、数十社の申請補助をして、わずか2社しか通らなかったという。一方、別のコンサル会社の採択率は100%だった。
補助金獲得の運命を分けたポイントは何か。取材を進めると、事業再構築補助金を勝ち取る「3つのコツ」が見えてきた。