発達障害の人におすすめしたい2つの対策
──バク先生ご自身は、発達障害で社会に馴染めないという悩みを解決するために、どんな対策をしてきましたか? ケアレスミスや遅刻、先延ばし癖などについてアドバイスをお願いします!
バク:とにかく、「自分を客観視する」のがいちばんのポイントです。
・自分がどういう人間なのか
・どういう場面で他人に迷惑をかけやすいのか
・どういう場面でメンタルが落ち込むか
など、発達障害の自分の特徴がどこにあって、どういうクセがあるのかを観察し、洗い出しておくんです。そうやって客観視してから、自分なりのリマインド方法や管理方法を開発するしかないですね。
──なるほど。
バク:遅刻する、言われたことを忘れる、気が散りやすいなどはどうしようもないので、そういったミスをすることは前提として割り切って、「ミスしたとしても大丈夫」な仕組みを二重三重でつくるしかない。
だって、脳の特性なので、どんなにがんばって気合いでどうにかしようとしたって、ドーパミンは出ないですからね(笑)。絶対にミスは起こるので、リカバリーする方法をあらかじめ考えておくんです。
──具体的には、どんなことを?
バク:私が日常生活でとくに気をつけているのは二つです。
ひとつは、「これさえあれば生きていける」というサバイバルセットをつくって、つねに持ち歩くこと。すぐに財布を失くすので、そのサバイバルセットの袋のなかに1万円などの緊急時用のお金や、合鍵などを入れておくようにしています。
──たしかに、失くしやすいものに関しては予備をいくつか用意しておけば安心ですね。
バク:もうひとつは、上司に指示されたことを忘れてしまったりしないように、TODOリストの管理などでとくに活用していることなのですが、やることをポストイットに書いて、スマホに貼るんです。
──手帳でもノートでもなくわざわざスマホに貼るのには、何か理由があるんですか?
バク:ADHDってスマホが大好きなんですよ。次々に新しい情報が出てくるから、ドーパミンを出してくれる魔法の板なんです。
その特徴を逆手にとって、粘着力が強いタイプのポストイットに、やらなければいけないことや、TODOリストをメモしてバンバン貼っていく。
──なるほど。スマホ自体はすごく好きだから、意識しなくても勝手に目に入る。だからこそ忘れる可能性が低いんですね。戦略的に考えられているんですね……!
【目次】
はじめに~毎日、生きづらさを感じているあなたへ
■第1章 あなたの「生きづらさ」の原因を探してみましょう
■第2章 考え方一つで幸も不幸、不幸も幸になる!
■第3章 世の中に溶け込むための擬態のススメ「とりあえずやってみる!」
■第4章 生きるのがさらにラクになる! 心の習慣
おわりに~あなたの人生に勝ち負けというのは、一切存在しません