コロナ前より全国の中小企業の経営者が頭を悩ませているのが、“後継者指名”の問題。また、コロナ禍を機に、会社の売却や、解散等を意識した経営者も少なくないだろう。特集『廃業急増!倒産危険度ランキング2021』の番外編では、悩める経営者に会社の「終活マニュアル」をお届けする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
127万人が「後継者未定」
事業承継税制の改正で23年まで優遇措置あり
会社を誰に継がせるか――。
全国の中小企業の経営者が頭を悩ませるのが、“後継者指名”の問題だ。冒頭の問いにすぐに答えが出る経営者は幸せ者だろう。
中小企業庁によれば、2025年に70歳を超える中小企業の経営者は約245万人。このうち127万人は「後継者未定」だ。
親族や社員など後継者が決まっている場合、経営者の“終活”はスムーズだ。加えて18年に事業承継税制が改正され、今ならば承継時の贈与税や相続税の負担が軽減されるなどの優遇措置がある。
優遇措置を受けるには、23年3月までに特例承継計画を提出し、27年12月までに承継を行うなどの条件がある。後継者と協議を重ね、早めに手続きを進めたい。
一方、後継者がいない場合はどうすればよいのか。社長なら押さえておきたい、会社の“終活マニュアル”を見ていこう。