面接以外の採用活動をどう検討していくか?
会社説明会やインターンシップのオンライン化で人事担当者が気をつけたいことは何でしょうか。
伊達 会社説明会が対面からオンライン化すると、次の4つの変化が起こります。
(1)非言語的手がかりが減少する
(2)言語化できる情報は伝わりやすくなる
(3)他の候補者の観察が難しくなる
(4)「伝達感」は下がるが、「伝達度」は上がる*
* 逆に、対面状況では伝達感が高いものの、伝達度はそこまで高くないことが検証されている。主観的に感じているよりも客観的には伝わっていないということである。
候補者が会社説明会やインターンシップに参加したときに、内容を理解できた感覚が減ってしまう可能性があります。実際に言語情報の量が減っているわけではないのですが、消化不良になりがちなのです。そのため、対面を前提で作った会社説明会やインターンシップをそのままオンラインで行うと、効果が半減してしまう可能性があるでしょう。一方で、オンラインの場合には、“非言語的手がかり”が減るので言語情報が際立ちます。つまり、いままで“雰囲気”で伝えてきたものをきちんと言葉にするように努める必要があるのです。
そこで求められるのが、自社の風土や人柄、従業員の価値観などを言葉にしてみることです。とは言え、「うちの会社はアットホームな雰囲気があります」と言われても抽象的で学生は理解しにくいです。そのため、それを表すような象徴的なエピソードを併せて伝えられるとよいでしょう。たとえば、アットホームを具体化するものとして「社員主導で宿泊イベントをするんですよ」や「社内サークルを作って、楽しんでいる社員が多いです」などが挙げられるでしょう。
インターンシップではグループ活動がよく行われます。しかし、すべてがオンラインになると、信頼形成が難しくなります。その対策として、グループのメンバーを固定し、コミュニケーションの量を増やすことで信頼感を増していくことができます。また、その場の雰囲気に応じてアドリブを効かせるようなことは、オンラインではうまくいきにくくなります。オンラインの場合は、自由度を下げ、きちんと設計することが重要だと言えます。