資産1億円 本気で目指すFIRE#15Photo:PIXTA

不動産投資は一度に大きなカネが動く。1件目でつまずいただけで、時に身を滅ぼす。無知は命取りだ。特集『資産1億円 本気で目指すFIRE』(全17回)の#15では、優良物件を手にする確率を上げる鍵となる「物件探しルートの序列」「物件種類別のリスク・リターン格差」を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 大根田康介、臼井真粧美)

米国株のカリスマ投資家が
不動産投資で足りなかったもの

 米国株投資で財を築いたカリスマ投資家のたぱぞう(ハンドルネーム)氏は、資産が1億円を超えた頃から太陽光発電や不動産への投資を考えるようになった。株式以外の投資を始めた理由は二つある。

 一つは資産分散。売電収入や家賃収入には株価で起こるような激しい変動がなく、「下方硬直性がある」とたぱぞう氏。株式投資と組み合わせて資産を構成することで、リスク分散ができる。

 もう一つは、不動産投資がCCR(自己資金配当率)目線で株式よりリターンが高くなることがある点。CCRは自己資金の利回りを表す指標で、「1年間のキャッシュフロー÷自己資金」で計算する。自己資金に対するリターンを高くできるのは、借金でレバレッジを利かせるからだ。

 もっとも、たぱぞう氏が不動産投資を考えるようになってから、実際に物件を購入するまでには時間を要した。株式投資に熟練していても、金融資産が潤沢でも、不動産投資を実行するには“あるもの”が足りなかった。