五輪後の不動産・マンション#9"Photo:PIXTA

晴海や有明、勝どきといった東京・湾岸エリアのタワーマンションが飛ぶように売れている。しかし、「今は買うべきではない」という声もある。特集『五輪後の不動産・マンション』(全12回)の#9では、マンション別価格騰落率ランキングを基に、その理由を検証する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

駅から遠い住戸ほど
価格が上がる奇妙

「『パークタワー勝どきミッド』の販売は好調だ。これから販売予定の『パークタワー勝どきサウス』も多数の来場予約で埋まっている」

 三井不動産の同物件の販売担当者は鼻息が荒い。2棟総戸数2786戸の大規模タワーマンションで平均坪単価430万~440万円、メイン価格帯は7000万円台半ば~8000万円台半ばで1億円超えもあるという高額にもかかわらずだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、賃貸から広い部屋の分譲マンションに住み替える需要が増加。東京都心では東京湾に臨む開放的な環境の評価が高まり、湾岸エリアのタワマンが売れている。

 例えば住友不動産が有明で開発した約1500戸の新築トリプルタワマン「シティタワーズ東京ベイ」は、駅近から順次販売されており売れ行きは順調だ。奇妙なことに、駅から遠くなるほど価格が上がっている。遠くなるほど利便性は下がるにもかかわらず、販売時期が最近のものほどタワマン市況が上昇しているからだ。完全に売り手市場である。

 そんな中、「今は湾岸タワマンを買うべきではない」という専門家の声がある。