28日の原油相場は1バレル=80ドルに達した。石油輸出国機構(OPEC)は、新たな供給源への投資を拡大しなければ原油相場は急騰すると警告。化石燃料の時代の終わりが近いとの主張は、このあたりで打ち切りにした方がいいだろう。欧州の気候変動問題をめぐる愚行が燃料の不足と価格高騰を招き、世界のエネルギー市場に波紋を広げている。欧州では、風力発電の伸び悩み、石炭火力、原子力発電所の閉鎖、ロシアからのガス供給の減少などを受けて、液化天然ガス(LNG)需要が急増した。しかし、LNGの供給量は欧州と世界の需要を満たすのに十分ではない。アジアと欧州諸国は、電力不足を補うため石炭火力発電を増やさざるを得なくなっている。しかし、石炭も供給不足に陥っており、中国では地方政府の給電制限によって複数の工場が操業休止に追い込まれている。アジアのガス火力発電所は、燃料を石油に切り替えつつあり、これも原油相場を押し上げる要因になっている。