米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は、インフレが高止まりするようであれば、それを抑制する手段があると繰り返し述べてきた。FRBにとっての問題は、現在のインフレ高進は、インフレ対策の主な手段である金利引き上げには適さないタイプのものかもしれないということだ。米経済を襲っている急速なインフレは、過剰な需要ではなく供給不足に起因するところが大きい。供給問題がインフレを押し上げている場合、短期の借り入れコストを引き上げても、状況のリバランス(再均衡)が可能になるかは全く不透明だ。借り入れコストの上昇は需要を圧迫し、経済を減速させかねない。その結果、価格圧力は低減する。だが、工場などによる経済への供給を促す効果はあまりない。また、利上げしても、不足している商品の供給力を大きく高めることはできない。
FRBハト派が想定する利上げシナリオ
ミネアポリス連銀総裁、供給制約によるインフレでも利上げが有効になり得るとの見解
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