「ダイアナ元妃は夫のために働いている人々や王室の規模がどれほどのものか見てほしいと考えていた」
「元妃は夫の周辺の人々から強い圧力を受けていると感じ、夫とやり合ってくれる仲間を探していた」

 世間から叩かれ、周囲から敵意を向けられた人が「理解者」や「味方」を欲するというのは、一般人であろうとロイヤルファミリーであろうと変わらない。諜報機関の人間は、その不安、孤独、ストレスにつけ込んで、信頼関係を築き、欲しい情報を引き出すのである。

 ここまで言えば、筆者が何を言いたいかわかっていただけるのではないか。

 眞子さまは、日本という国の根幹にある天皇家に連なる女性だ。公にされていない儀式、皇室内部の情報など、日本の国民でさえ知らない情報をたくさんご存じだ。日本と利害関係のある国が、眞子さまを「協力者」に仕立て上げれば、日本にプレッシャーをかけるスキャンダルや内部情報も引き出すこともできる。

眞子さまの危険をさらに高めた

 アメリカ移住でこのリスクがさらに高まっている中で、宮内庁はのんきに眞子さまのPTSDを全世界に公表した。不安や孤独につけ込みたい者たちにとって、これ以上のナイスアシストはない。

 例えば、眞子さまが受けたという「誹謗中傷」を批判するような立場で接近して、信頼を勝ち得るというやり方もあるだろう。また、眞子さまが生活するコミュニティ内に、意図的に日本で叩かれているような情報を流して、孤立させたところで、救いの手を差し伸べるというようなやり方も考えられる。

 海外ではそんな人でなしはいない、と思うのは日本人の感覚であって、生き馬の目を抜く国際インテリジェンスの世界では、どんな手段を使ってでも、自国が有利になるような情報を抜き出すものだ。「眞子さまも一般人になったからそっとしておいてあげよう」なんて思いやりを期待する方が間違いだ。

 宮内庁は今回の公表で、ただでさえ工作活動のターゲットになっている眞子さまの危険をさらに高めたのだ。「平和ボケ」で済まされる話ではない。