個人の主体的意思が重視される欧米人から見ると、秋篠宮家の長女眞子さまが自分の意思を貫いたことに対して、共感する人も多いのではないか。本稿では日本の皇室をめぐる論点を「世界の視点」で取り上げたい。21世紀の今日、世界で「emperor」と言われるのは日本の「天皇」だけである。しかも、その皇室は、古代以来続いている。(芸術文化観光専門職大学教授 山中俊之)
グローバルなシーンで
天皇や皇室に関する質問は多い
秋篠宮家の長女眞子さまと婚約中の小室圭さんが、10月26日に結婚される見込みだ。週刊誌によって数多くのトラブルが報道されたが、お二人は愛を貫かれた。若いお二人の門出を祝いたいと思う。
皇室・王室関連の出来事が大きく報道されるのは、世界共通である。私がかつて住んでいた英国では、大衆紙が王族のことを大きく扱うのが通例だ。政治や経済など堅い記事は読まない人も多い。スポーツやファッション、グルメといった記事は人によって関心が違う。しかし、王室ネタは誰にとっても一定の関心事なのだ。
特に結婚は、注目を浴びる。個人の主体的意思が重視される欧米人から見ると、眞子さまが自分の意思を貫いたことに対して、「妥当な判断だ」と共感する人も多いのではないか。
眞子さま・小室圭さんのご結婚をめぐる騒動は、改めて我が国における「皇室とは何か」を国民に問うたと思う。本稿では日本の皇室をめぐる論点を「世界の視点」で取り上げたい。
グローバルなビジネスシーンで、話題が日本に及ぶと、天皇や皇室について質問されることは、ことのほか多い。