シニアの年齢になって、改めて気づいた自分の特性

 たとえば、若いときにスコアが高かった「積極性」「責任感」「活動性」は低くなっていた。一方で、「規律性」「従順性」などは高くなっていた。「自己信頼性」など、以前と変わらない項目もあった。

「『規律性』のスコアが上がったのは、シニア年齢という、人生のベテラン的な立場になって、さまざまなことに気を使わなければならなくなったことの表れでしょう。『積極性』や『活動性』が下がったのは、端的に言えば加齢によるパワーの衰えだとも考えられます。同じ理由から『思考性』や『共感性』も、加齢によって下がることがあります。年を取れば、長く考えることが苦痛になることがあり、ベテランゆえに深く考えなくてもできることが増えるという面もあります。『共感性』については…人は年を重ねれば、人に対する興味が薄れがちです。“新しい人に会いたい”という意欲も落ちていくでしょう」(蓬田氏)

 総じて納得できる説明ばかりだが、端的に言えば、定年年齢になった私は、「エネルギーの低下があり、仕事から徐々に身を引いて“余生”を意識するべき状況になった」ということか。

 こうした私の考えに対して、蓬田氏は次のように答える。

「“余生”というのは、もはや古い概念ではないでしょうか。『積極性』が低いのは、裏返せば“やりたくないことはやらない”ということかもしれないし、それが条件的に許されるのであれば、『積極性』の低さが望ましい場合もあります。余生ではなく、人生のセカンドキャリア時代と捉えて、これまでの経験を踏まえたうえで次の生き方を考える、というのがこれからの姿勢だと思います」