ヤフコメを参考にする人・しない人
向上が望まれるヤフコメの民度

 世の人はどれくらいヤフコメを参考にしているのか。筆者が周囲の声を聞いてまわってみたところ、ヤフコメに目を通す人はその理由について、次のように語った。

「コメント数が伸びているものは、『どんなことが書かれているのかな』と好奇心でチェックする」(30代女性)

「たまに、自分が思いもしなかった気づきを与えてくれるコメントがあって面白い」(40代男性)

「自分がそのニュースに対して感じたことと、他の多くの人が感じたことはどれくらい似ているか、あるいは違っているかを確認したい」(20代男性)
  
 一方、ヤフコメに目を通さない人の主張としては、次のようなものである。
 
「読むうちに嫌な気分になることが多いので読まない」(40代女性)
 
「過去に反論を投稿したとき、終わりの見えぬ非建設的な議論に陥ったことがあり、もうあんな思いはしたくないのでヤフコメは読まない。読むときっとまた反論したくなってしまうので」(50歳男性)
 
「『ただの一般人が何を偉そうに言っているのか』と思えてしまうので、読む気になれない」(30代女性)
 
“目を通さない”派は、意識的にヤフコメとの距離を取っている。一方、“目を通す”派は興味本位の軽い気持ちでのぞいているような印象を持った。
 
 今後、ヤフコメの民度はどう推移していくだろう。これは世間のネットリテラシーの向上と連動していくものでもあるので、一定程度の民度獲得は即時結果が出るものではないであろう。
 
 しかし近年では、過ぎた誹謗中傷に刑事罰が科されるケースも出てきている。これを通して「ネットだからといってなんでも言っていいわけではない」という事実が浸透し、それが抑止力となっていけば、ヤフコメももう少し落ち着くかもしれない。
 
 Yahoo!ニュース、およびヤフコメは良くも悪くも国内最大級の情報空間であり、そこが何やらすさんでいるという事実はなんとも情けない。ごく一部の人たちがすさませていたとて、そのごく一部が悪目立ちできる土壌がヤフコメにはある。
 
 一ネット利用者としては節度を忘れぬよう心がけつつ、Yahoo!ニュースの今後の取り組みに期待していきたいところである。