『三国志』『孔丘』などで知られる
歴史小説家の宮城谷昌光

公明党前代表の太田昭宏氏公明党前代表の太田昭宏氏 Photo:SANKEI

 愛知県豊橋市にある県立高校だ。校名は、江戸時代の藩校に由来する。校地は全国の普通科高校の中で、指折りの広さだ。

 中高年読者を中心に、多くのファンを獲得している卒業生がいる。歴史小説家の宮城谷昌光(みやぎたに・まさみつ)だ。古代中国の偉人にスポットを当てた長編作品が多い。

 宮城谷は時習館高校から早稲田大・英文学科に進んだ。郷里で英語塾などを開く一方、恋愛小説などを書いていたが、売れない時代が長く続いた。40代半ばの1991年に、『夏姫春秋』で直木賞を受賞、以降、ヒット作が相次ぎ、司馬遼太郎賞、吉川英治文学賞などを受賞した。

 代表作は『三国志』(2004年~13年)、『孔丘』(2020年)などだ。

 小説家、評論家の杉浦明平も、時習館高校が誇る文人の一人だ。時習館の前身である旧制豊橋中学を卒業、旧制一高(東京)を経て東京帝大・国文学科を卒業した。出版社などに勤めながらイタリア・ルネサンスの研究を続け、関連本を出版した。

 戦後は郷里の愛知県渥美郡福江村(現在の田原市折立町)に戻り、地元の教育委員などを務める傍ら文筆活動にいそしんだ。故郷に近いところには江戸時代、田原藩があった。その江戸家老だった渡辺崋山について研究し、『小説 渡辺崋山』などの名著を世に送り出した。

 戦前に逓信次官まで勤め上げた官僚である一方、第一級の俳人として鳴らした富安風生も、卒業生だ。高浜虚子(愛媛県立伊予尋常中学・現松山東高校卒)の弟子のひとりだった。

 詩人の丸山薫も、旧制時代の卒業だ。愛知県立千種高校など愛知県、静岡県の高校の校歌を10近く作詞している。また豊橋市の市歌の作詞者でもある。

 子安美知子(こやす・みちこ)というドイツ語翻訳者、ドイツ文学者も出ている。ドイツの教育実践思想であるシュタイナー教育を日本に紹介する一方、ドイツの児童文学作家であるミヒャエル・エンデに関する著書もあり、彼の作品を多数、翻訳した。

 子安は東京大・教養学科院卒で、『青鞜』の運動家・平塚らいてうについて研究した。早稲田大教授で、2017年7月に死去した。

 エッセイスト、文筆家では、蝶々がいる。