2代続けてのセクハラでENEOSホールディングスは、旧日本石油からまさかの旧東燃出身者へトップが代わった。出光興産の6年ぶりのトップ人事では非主流派の起用も取り沙汰される。物言う株主に苦しめられたコスモエネルギーホールディングスは、異例の資本提携に踏み切った。石油元売り業界は、いつにない変革の荒波に放り込まれている。特集『石油ムラ 大異変』は5月7日(火)から17日(金)までの全5回の予定で、石油元売り業界の最前線を追う。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
#1 5月7日(火)配信
ENEOS HDで異例の「旧東燃」社長誕生、それでも次期トップ候補はまた「旧日石」!?社長候補の実名
石油元売り最大手のENEOSホールディングス(HD)では、旧日本石油出身者の支配が続いてきた。だが、トップがまさかの2代連続のセクハラ辞任で、非主流派の旧東燃出身、宮田知秀氏に社長の座が回ってきた。「黒バット」の隠語で知られた、産業エネルギー販売部門、勤労部門経験者が出世するという日石カルチャーから同社は脱したのか。早くもうわさされる次期社長候補者の名前を明かすとともにENEOS HDの権力構造をひもとく。
#2 5月9日(木)配信
出光興産の次期社長レースで「非主流」の候補が巻き返し!有力候補2人の実名
石油元売り業界で最大手のENEOSホールディングスの混乱を横目に、したたかに再生可能エネルギー銘柄へと変貌を遂げつつあるのが業界2位の出光興産だ。実は、同社も大きな転機を迎えている。それはトップ人事である。同社は昭和シェル石油と経営統合する前年の2018年から、木藤俊一社長が率いてはや約6年にもなる。次期社長レースでは“非主流”の候補に注目が集まっている。
#3 5月13日(月)配信
ENEOS HDの脱・旧日石は本物か?宮田新体制で特約店や販売店が恐れる「3つの大変化」
2代続けてセクハラによるというお粗末な経営トップ退陣にもかかわらず、ENEOSホールディングス系列のガソリンスタンドには直接のダメージはなかったようだ。ただし、旧東燃の宮田知秀氏による新体制となった4月以降に特約店、販売店は戦々恐々としている。新体制発足によって起きた三つの変化とは。
#4 5月15日(水)配信
ガソリンスタンド20年で半減、さらにENEOSが直営店を続々閉鎖!GS受難時代の「勝者の条件」とは?
ガソリンスタンドは1994年度の約6万店をピークに、人口減、後継者問題、自動車の燃費向上などを背景にほぼ半減した。今後ガソリン補助金の打ち切りや電気自動車(EV)普及によって1万店割れを予想する識者もいる。活路はあるのか。生き残るのは誰か。
#5 5月17日(金)配信
石油ムラに新序列!旧村上ファンドからコスモ株を取得した岩谷産業による「小が大をのむディール」が大再編の号砲に
旧村上ファンドに追い詰められる“危機”から脱した石油元売り業界3位のコスモエネルギーホールディングス。旧村上ファンドからコスモ株を取得して持ち分法適用会社とした岩谷産業は、同社悲願の水素戦略での提携強化を狙う。だが、このディールは、元売り3社体制がほぼ固まっている保守的な「石油ムラ」の住人たちにとっては極めてショッキングな出来事だったようだ。
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