米小売り最大手ウォルマートが、アマゾン・ドット・コムとの激しい戦いに新たな武器を投じようとしている。フィンテックの新興企業だ。ウォルマートは、米金融大手ゴールドマン・サックス・グループの元幹部2人をトップに据えた新会社の立ち上げに関わっている。膨大な数に上るウォルマートの顧客や従業員に金融サービスを提供するのが狙いだ。ベンチャーキャピタルのリビット・キャピタルと手を組み、合弁会社を設立する。リビットは株式取引アプリの米ロビンフッド・マーケッツをはじめとするデジタル金融事業への投資で知られている。事情に詳しい関係者によると、モバイル決済を柱とするユーザー基盤の構築のほか、「ネオバンク」と呼ばれるモバイルアプリで個人向け銀行口座を提供するスタートアップ企業の買収など、いくつかの選択肢が検討されている。