リモートワークvs出社勤務
それぞれの「ホンネ」

 私の見てきた限りでは、リモートワークを希望するのは、家に快適に在宅勤務できる労働環境がある人でした。それは場所に限らず、椅子、机、ネット環境なども含みます。そして、在宅勤務の中でも気分転換できる趣味などを持っている人たちです。年齢や家族構成はあまり関係ありませんでした。

 リモートワークを希望する人たちの理由として特に多かったのは、

・通勤がないため、体力と時間が節約できる。家事がはかどる
・上司や先輩から、「ちょっと…」と頼まれにくいので、仕事に集中できる
・職場のストレスの半分ともいえる煩わしい人間関係から解放される

 の三つでした(順不同)。

 一度このようなメリットを経験してしまうと、「ありがたい」から当たり前になり、緊急事態宣言が明けても、誰も手放したくないのでしょう。

 一方、出社勤務を希望する人には、世代や住環境に特徴がありました。まず、若者のワンルーム住まいで、机や椅子などの仕事環境が整っていない人たち。30〜40代の子育て世代で、集中して仕事をできるスペースが家にない人たち。そして、50歳以上の管理職の場合は、リモートだとメールやチャットで明確な指示出しができない人たちだという傾向がありました。

 この人たちの理由として特に多かったのは、

・家だと集中できない(家のIT環境や空間の制限、未就学の子供がいるなどの家庭環境)
・一人で仕事をしていると気分がめいってくる、気分転換がない
・出社して同僚たちと飲みに行きたい

 の三つでした(順不同)。

 コロナ禍で自宅に閉じ込められている環境から早く抜け出したい、という強い気持ちを感じます。