多くの現場で張り込みを経験
よく使う手とは?

 以上のように、張り込みについてはさまざまな情報から最良の答えを捻出する必要があり、経験がものをいうことを、ご理解いただけたのではないでしょうか。

 実に多くの現場を経験した結果、私の張り込み方法は車両張りを前提に準備を進めるようにしています。その理由は二つあります。

 一つ目は調査の成功率を上げるための選択で、なんといっても印象度です。自分の家の前にずっと人が立っているのと、車が止まっているのとでは、どちらに違和感がありますか? もちろん前者だと思います。特別な事情がない限り、張り込みの場所が繁華街でも住宅街でもなんとかして車両張りを選択します。

 二つ目は探偵の安全性です。長時間の張り込みになると、前述のとおり体力面の心配が出てきますが、万が一調査していることが対象者に発覚したり、第三者が自分を調査していると勘違いし、攻撃を仕掛けてくることが実際にあるのです。これは探偵10年戦士なら誰しもが経験しているあるあるです。その時に身を守るために車両籠城という手段は確保しておきたいのです。

 探偵が張り込みをしているときは、対象者を含め一般市民もだましているのです。

 点と点が線になる探偵トークでした。あなたの隣に詐欺師がいます!