・対象者の移動手段や移動経路が確定しているケース

 駅などの行き先や、移動経路上で安全にキャッチ(対象者と断定)できる場所で張り込んだりもします。張り込みは必ずしも自宅から開始する必要はなく、とにかく安全に確実にキャッチできることが大事で、ルールに縛りはありません。

過酷な長時間・数日間の張り込み
最適な場所を見つけたら?

(2)長時間の張り込みを想定した準備と周囲に溶け込む方法

 長時間の張り込みにはさまざまな情報を収集して、それに即した準備が必要になります。

 例えば、立ち張り・車両張りともに、現場の環境や人通りや交通状況などの中で、違和感なく張り込みが続けられるか? 天候や逆光による視界不良で対象者を見落とす可能性があることも考慮した位置取りをする必要があります。

 ちなみに、張り込みはずっと同じ場所でするものと思われるかもしれませんが、車やトラックが駐車して視界を塞いだり、周囲の人がこちらを気にしているそぶりをしているなどで、張り込み場所を変えることはよくあります。

 さらに長時間どころか数日間の張り込みが想定される時は、最良な場所があればそこを借りることができないか、持ち主に交渉することもあります。手土産を持って丁寧にお願いすれば意外と許可をいただけるものです。

 立ち張りの際は、張り込みが長時間になると、気温・風向きなど体力を奪っていく天候への対応も必要になります。

 長時間の張り込みを考慮して、十分に休んでおくことも重要です。ケースによっては幅30センチの隙間からしか対象者の出入りを監視することができず、その30センチの隙間から、10時間以上も凝視し続けるなんてこともあります。私はなるべくトイレの回数も減らすために、張り込み中はあまり飲み食いをしません。食べすぎると眠くなりがちなので、そういった点も気をつけています。