「バンドから会社へ、リーダーから社長へ」となったいま

 番組の放送に先立つ今年(2021年)9月末に、制作発表記者会見が、東京・お台場のフジテレビ内で行われた。多数の報道関係者の前で、城島さんは番組出演への意気込みと株式会社TOKIOに対する思いを発した。社長になって「言葉を選ぶようになった」と告白し、街を歩いているときは、広告看板にある企業の名前を気にするようになったという。

城島 街なかの看板を見て思うのは、本当にいろいろな企業や商品が世の中には存在しているなぁ、ということ。「あのビルのあの場所に広告を打つなんて、いったいどれくらいの広告費かな?……すごいなぁ」と。「目がつくところに社名をしっかり置いているなぁ」と。広告でなくても、オフィスビルの各階に入っている社名プレートも気になりします。中にはベンチャーらしき会社さんもあって、輝かしい未来を目指していることが社名から伝わってきたり……僕が目にする広告看板や社名は世の中のほんの一部で、いったいどれだけの企業が存在しているのだろうと改めて驚きますね。一社一社が経済を回し、そこには必ず経営者と働く人たちがいて、いろいろな思いがある。株式会社TOKIOをつくる前は、そうしたことをあまり考えませんでした。それぞれのオフィスビルにテナント料が発生し、会社ごとに給与体系があって、決算期があって、経営努力があるわけで……経営者は雇用している人たちだけではなく、その方の家族も守っていくことで「人の繋がり」が生まれるのだと分かるようになりました。

株式会社TOKIO城島茂社長が語る、事業承継と会社にとって大切なこと

 株式会社TOKIOの「代表者挨拶」ページ(WEBサイト内)には、「バンドから会社へ リーダーから社長へ」という見出しが躍る。ビジネスパーソンの象徴である“スーツとネクタイ姿”が当たり前になりつつある城島さんが、株式会社TOKIOの「社長」としていちばんに心がけていることは何だろう。

城島 「社長」という肩書で番組に出演したり、取材してもらったり、仕事のパートナーとなる方にお会いしているなかで、皆様の生き方だったり、ご意見・お話・経験談に触れ、たくさんのことを吸収していくことが大切だと思っています。経営に関しては、「経営学」のようなものを特に勉強したことがありませんから、実際の現場で働く皆様、経営されている方々の生の声を深く聞いて、頭の中に溜めていき、僕自身のフィルターで濾過して、株式会社TOKIOの栄養にさせていただくつもりです。