ウイルスの起源に関する研究で定評のある科学者、マイケル・ウォロビー氏が、新型コロナウイルスについて、中国・武漢市の生鮮市場から感染が広がった可能性が非常に高いとの見方を示した。初期の感染事例に関するデータや報道などを見直した調査結果を18日、学術誌「サイエンス」で公表した。新型コロナウイルスが研究室から流出したのではなく、動物からヒトへと感染したことを示す証拠が改めて明らかになった。哺乳類の野生動物が生きたまま売られていた武漢の生鮮市場が果たした役割については、科学者の間で議論が続いている。アリゾナ大学の進化生物学者であるウォロビー氏は、2019年12月時点で最初に感染が確認された事例の多くが、直接的または間接的に同市場と関係していたと述べている。遺伝子データや報道、初期患者の話から、感染したのは同市場の勤務者か訪問者、または市場関係者との接触者、市場の近隣住民だったことが分かったという。ウォロビー氏は1918年に発生したインフルエンザのパンデミック(世界的大流行)やエイズウイルス(HIV)の起源に関する手掛かりを突き止めたことで知られる。
コロナ自然発生説強まる 武漢データ見直しで
米の進化生物学者が初期感染例データなどを再構築した結果、生鮮市場との関連が鮮明に
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