ペットのコーギー犬に「無害化処置」

 11月12日、同市内の金鳳花園団地が要注意区域に指定され、全住民にホテルへの集団隔離が言い渡された。その際、ペットの同伴は禁止とされ、各戸では立ち入り消毒が行われるものの、きちんとつないでおけば消毒責任者はペットには手を付けないことが約束されていたという。

 しかし、12日午後、隔離先で自宅内をペットカメラで見守っていた住民が、自宅に入ってきた消毒担当者がつないでおいたペットのコーギー犬に棒を振り下ろすのを目撃した。カメラを通じてすぐさま抗議したところ、相手は「上司からその場で処理しろといわれている」と言い、暴れてひもが外れてカメラの外に逃げ出した犬を追いかけた。その後小さな鳴き声がした後、画面には黄色いゴミ袋を手にした担当者らが現れたが、その後コーギーの動向が分からないとウェイボで訴えた。

 この書き込みはあっという間に拡散され、大論争を引き起こした。それに加えて、やはり金鳳花園の別の住民からも「飼っていた犬や猫を殺された」と訴えが上がり始めたのだ。

 実はそれまでにも、黒竜江省や成都市などでは別所隔離中の飼い主の同意を得ずにペットが処分されるという事件が起こっていた。中国ではここ10年ほどペットブームが広がっており、ネットショッピングで最も売れ行きが好調な商品はペット関連用品だといわれるほど、一大産業となっている。農村地帯ではまだまだ動物は「家畜」レベルだが、都会ではペットがすっかり家族同然になっていることも珍しくなく、先のコーギー犬の飼い主の「わたしは通告に従っておとなしく隔離を受け入れているのに、なぜこんな目に遭わなければならないの?」という嘆きに、全国のペット愛好家が怒りを爆発させた。