北京でも、健康コードを「有効活用」

 その中央政府のお膝元、北京でも実は健康コードが「有効活用」されていることが次第に分かってきた。

 10月末から11月初めにかけて、複数の北京在住の人権弁護士が地方の依頼人に会いに出かけて北京に戻ろうとしたところ、突然その「健康コード」が緑から赤(新型コロナ患者の未治癒者や発熱者、陽性患者などで移動に適さない)に変わり、北京入りができなくなったのである。

 ある人権弁護士は、山西省で刑事事件の公判前聴取のため勾留された依頼人に会いに行った助手が、帰京しようと駅に向かった途端、健康コードが赤に変わり、電車どころか駅構内にも入れなくなってしまった。慌てて近くの病院でPCR検査を受け、その陰性結果を持って駅に行ったが、やはりコードは赤のまま。仕方なく列車をキャンセルして、翌週の公判に出席する弁護士を待って裁判に出席した。しかし弁護士の健康コードも赤に変わり、1週間の公判終了後、2人はいつ北京に帰れるのか分からないという。

 また、人権弁護士の王宇さんも10月中旬に北京から瀋陽に出張したが、帰京のための列車内で北京入りのための健康コードが「申請できなくなった」という。仕方なく途中の天津で下車したまま様子見をしているが、半月以上も北京に戻れない状態が続いていると訴えている。

 王さんの夫でやはり弁護士の包龍軍さんも出張先の蘇州で、北京に帰るための健康コードの選択項目が表示されず、飛行機にも列車にも乗れない状況が続いていると動画付きで、友人がTwitterで明らかにした。