北京だけではない。ディズニーランドでの対応が大絶賛された上海でも、同地を訪ねようとした湖南省の弁護士・謝陽さんが、やはり健康コードが原因で飛行機に乗れなかったことを明らかにしている。

 謝さんは、昨年の武漢で逮捕され、懲役4年の判決を受けたフリージャーナリストの張展さんの母親を訪ねるところだった。張さんは獄中でハンストを続け、現在その健康状態が大きな注目を浴びている。彼女の支援を続ける謝さんは上海行きの飛行機に乗るために空港に着いた途端、コードが「移動禁止」を告げる赤に変わった。仕方なく自宅に戻り、訪れるはずだったPCR検査担当者を待っていたところ、コードは再び緑に戻ったという。

 上記関係者は皆、「感染拡大地域に足を踏み入れていないし、周囲にも感染者はいない」と異口同音に主張しており、移動を制約される理由はないと述べている。

「健康コードは慎重にテクノロジーに基づいて運用されるべきであり、党の手下になってしまってはならないはずだ。だが、異見者の行動を制限するツールになってしまっている。法廷でこの件の有効性を問う必要がある」(謝陽さん)

 6中全会も閉幕し、これらの人たちもそろそろ移動が解禁になっているはずである。だが、同じような事態が今後も容易に起こるだろうことは大きな懸念材料となっている。