衣料小売りチェーン「ZARA(ザラ)」の創業者一族は、これまで何年も表に出てこなかったが、衣料品帝国インディテックスの支配をしっかり取り戻した。売り上げ世界最大のファッション小売企業インディテックスは11月30日、突然の役員交代を発表した。パブロ・イスラ会長が2022年3月末で退任し、創業者で資産家のアマンシオ・オルテガ氏の娘マルタ・オルテガ・ペレス氏が会長職に就く。新しい最高経営責任者(CEO)には、8カ月前にスペインのサンタンデール銀行から同社に入社した弁護士のオスカー・ガルシア・マセイラス氏が就任する。この人事は投資家には不評で、インディテックスの株価は欧州午前の取引で6%下落した。オルテガ・ペレス氏は、同社で15年間の勤務経験があるが、自身がまもなく率いることになる取締役会のメンバーになったことは一度もない。イスラ氏は記者会見で、今回の役員交代は以前から予定されていたものだと述べたが、同氏には新たな役職はないようだ。これまで2年間務めてきた現CEOは事実上降格となり、後任はファッション業界での経験がない。