◆変化を選択する道について
◇夢の実現のために諦めること

 目的の達成のためには、夢の実現のために言い訳にしているものを諦めなければならない。「金がない」「時間がない」「周囲の理解がない」「自分の能力がない」などの言い訳だ。

 金がないなら、何に使っているか考え、目的の達成に関係ないものを全部諦めてしまえばよい。「時間がない」なら、時間を何に使っているかを考え、それを諦めれば、相当な時間が手に入るはずだ。諦められるものを持っている人は運がいい。金も時間も「持て余している」のだから。

「周囲の理解が得られない」なら、周囲を諦めれば解決だ。どうしても諦められないなら、周囲を少しずつ説得するという活動も、夢へ進む道の一部だと考えよう。本当にやりたいことなら、説得自体が楽しく感じられるはずだ。うまくいかなかったらその人を諦めるしかない。

「自分に能力がない」という理由は一番厄介だ。これは単なる思い込みの可能性もあるし、時間をかけて能力を高める方法があるのかもしれない。夢を実現するために必要な能力を確認し、別の能力に切り替えて目的を達成できるのかもしれない。自分にできないことは、その部分だけ他者に依頼することもできる。

 夢を分析すれば、別の道も見えてくる。例えば、「絶世の美人になる」という夢を持っているとしたら、他人に依頼しても実現は難しい。しかし、なぜ美人になりたいのかを分解して考えれば、自分でも気がついていない別の目的に気づくかもしれない。美人になっている自分の姿を見たいのか、他人に美人になった自分の姿をうらやましがられたいのか、特定の他者と仲良くなりたいのか。突き詰めていくと、美人になるのが「目的」ではなく「手段」だということがわかり、別の方法でも目的を達成できるのではないかと考えられるようになる。多くの夢や欲望には別の目的が潜んでいる。自分の動機を分析すれば、あっさりと「諦められる」可能性もあるのだ。