みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#37では、東日本大震災の直後にみずほが起こした2度目の大規模システム障害に再フォーカスする。些細な事務ミスが大規模なシステム障害へ発展、メガバンクの一角を担う、みずほフィナンシャルグループの屋台骨を揺るがした。だが、それは不運ではなく、内包してきた問題の露呈にすぎない。
「平和ボケ」の声まで上がる
システム障害が再び鳴らす警鐘
「システムはウソをつかないし、おべっかも使わないから、みずほの病巣が最もわかりやすく表れた」
東日本大震災の直後に最大116万件の未処理取引を引き起こした、2度目となるみずほ銀行(BK)の大規模システム障害。かつて、BKのシステム運用に携わったあるOBは、今回の不祥事をそう切り捨てる。
この指摘は正鵠を得ている。よくも悪くもみずほフィナンシャルグループ(FG)の象徴だった、顧客を分けてサービスを提供する“2バンク制”。その終焉を招いた不祥事の原因は、彼らが抱える構造的問題だったからだ。