みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#36では、2011年に時計の針を巻き戻す。「人員・組織」「システム」「資産」に潜む三つのアキレス腱が、みずほの収益の足を引っ張ってきたが、2度目の大規模システム障害を機にようやく、その改革の機運が高まってきた。成功には何が必要なのか。

「週刊ダイヤモンド」2011年6月18日号の特集「みずほ再々編の五里霧中」を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

みずほ凋落の原因である
「3つのアキレス腱」とは?

「2度目の大チョンボとなると、さすがにみずほをメインバンクにするのは難しいですよ」

 ある大手企業幹部の言葉が象徴するように、ただでさえ厳しかったみずほに対する取引先の評価は、システム障害でさらに悪化した。

 信頼を回復するため、みずほフィナンシャルグループ(FG)は1バンク化への転換を打ち出したが、それは同時に地盤沈下してきたみずほの収益力を引き上げる、最後のチャンスでもある。

 そもそも、みずほ凋落の原因は、“三つのアキレス腱”にある。(1)人員・組織の膨張、(2)システムの重複、(3)資産の非効率だ。