みずほ暴力団融資問題も根底に「旧行意識」、隠蔽疑惑と現場の怒りを招いた会見の闇深さ行政処分を受けて慌てたように調査を始めた、みずほ銀行。自浄作用が働く日は来るのか

みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#38では、2013年に発覚したみずほの暴力団融資問題に焦点を合わせる。この問題で、金融庁から業務改善命令を受けたみずほ銀行。当時の経緯をめぐって説明が二転三転する背景には隠蔽体質と「3行意識」という闇が広がっている。

「週刊ダイヤモンド」2013年10月19日号の「クローズアップ」を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

頭取と副頭取による2つの会見で
みずほの病巣の根深さが浮き彫り

 暴力団への融資をめぐって、経営トップへの報告が明らかになったみずほ銀行。2013年9月27日に金融庁から業務改善命令を受けて以降、経営陣はだんまりを続けてきた。

 10月4日に岡部俊胤副頭取がやっと会見に応じたかと思えば、わずか4日後の8日に佐藤康博頭取が前言撤回をする異例の事態となっている。二つの会見を検証すればするほど不可解な点が浮かび上がり、みずほ銀行が抱える病巣の根深さが浮き彫りになる。