ほとんどの人に共通する悩み、それは「お金の悩み」だ。「お小遣いが足りない」、「毎月家計が赤字」、「家を買いたいけど頭金がない」、「老後のお金をどうしよう」……。そして誰もが、こう思う。「一生、お金に困らない生活をするにはどうすれば良いのだろう」と。そんな悩みに応える1冊が、経済ジャーナリスト荻原博子氏の『一生お金に困らない お金ベスト100』だ。この1冊に、いろいろなお金の秘策が詰め込まれている。著者インタビューの最後は、前回に続き、お金の不安をなくすコツについて伺った。
(取材・構成/鈴木雅光、撮影/疋田千里)
お金の不安ってなくなりますか?
―――荻原さんに本についてお話をうかがうのも今回がラストです。最後はお金の不安を解消する方法について教えてください。
荻原博子さん(以下、荻原):お金はあってもなくても不安になります。ただ、不安を解消するための方法はただひとつ。それは「自分がなぜお金に対して不安を持っているのか」を突き詰めて考えるということです。
たとえば生活費が足りないから不安だと気づいたら、まずは家計をしっかり見直しましょう。家計にも必ずバグがあります。分不相応な固定費をかけて生活をしている人は、「人は人、自分は自分」という意識を持って、誰のこともライバル視せず生活すること。これ大事です。
親しい友人がタワーマンションに住んでいるのを気にしたり、メディアの情報をうのみにしたり。そういう必要はこれっぽっちもありません。SNSでリア充っぷりを振りまいている人も無視していい。
投資するより働こう
―――なるほど。それでも不安な場合は投資ですか。
荻原:だから、それはダメ(笑) 何の借金もなく、1年間無収入で生活できるだけのお金があるなら、投資してもいいとは思います。でも大半は失敗しますから不安は解消されません。
どうしても生活費が足りなければ、投資よりもまず働きましょう。今、勤めている会社のお給料が全然上がらないなら、より高いお給料をもらえる会社に転職する手もあります。
―――ただ、ヘッドハンティングで収入がどんどん増える人なんて、ほんの一握りですよね。私が知りたいのはそこまでのスキルがない、ごく普通の人たちの話です。
荻原:今は誰でも収入を増やすことが出来る時代です。たとえばギグワーク。これはインターネットで単発の仕事を請け負うことですが、これ以外にも、デザインやライティングの心得が少しでもある人なら、先にお伝えしたクラウドソーシングで副業してもいいわけです。
最近の会社は副業OKというところも増えていますから、不安があれば堂々と、収入を増やすことが出来る環境が整いつつあります。
―――それにしても本業に加えて副業も、ということになると働きづめになりますね。
荻原:もし結婚しているならば、出来る限り共働きする方法も考えましょう。小さなお子さんがいるとなかなか自由に働けませんが、このコロナ禍でリモートワークの門戸が開き、出社に縛られない働き方が実現しつつあります。
共働きで一家の収入を増やせば、無理やり副業をしなくてもそこそこの収入にはなるはずです。もちろんフルタイムでなくても、130万円の壁を意識してパートで働くのでもいいですね。
年間130万円って結構バカにならないですよ。生活を出来るだけ切り詰めて、片方の収入で生活できれば、130万円をまるまる貯蓄に回せます。10年あればそれだけで1300万円貯まります。