トヨタ自動車Photo:123RF

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はトヨタ自動車、ホンダなどの「自動車」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

トヨタは前年同期比増収
ホンダは減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の自動車業界5社。対象期間は21年7~9月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・トヨタ自動車
 増収率:11.4%(四半期の営業収益7兆5457億円)
・ホンダ
 増収率:マイナス6.8%(四半期の売上収益3兆4044億円)
・日産自動車
 増収率:1.1%(四半期の売上高1兆9388億円)
・スズキ
 増収率:マイナス2.0%(四半期の売上高8282億円)
・SUBARU
 増収率:マイナス7.2%(四半期の売上収益7065億円)

※日産自動車、スズキは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 自動車業界の5社はトヨタ自動車、日産自動車が前年同期比増収。その他の3社は減収となった。

 目下、新型コロナウイルス感染拡大や半導体供給不足などの影響を大きく受けている自動車業界。増収率の明暗が分かれた要因は何だったのか。また、コロナ前と比較すると、売り上げはどのような水準にあるのか。次ページ以降でデータを交えて、詳しく解説する。