(1)の耐震についてですが、建築基準法の基準を満たした家なら、震度6強~7といった大きな地震でも一度は耐えられます。しかし、建築基準法の基準は、倒壊しないためのルールですので、家は損害を受けてしまいます。そのため、二度目、三度目の揺れには耐えられずに倒壊してしまう可能性があるのです。近年の日本では災害が頻発していますので、建築基準法の基準以上の対策が必要になると思います。

(2)の土地についてですが、住宅などの建物は基本、地面の上に載っています。ですので、建てる土地の強度や地形が大切になります。そこで安全な土地を選ぶことはとても重要です。しかし、持ち土地であることなど土地を選べないケースもあります。そのときは、その土地の地形や地層に合わせた対策方法を取ることが必要になります。

 地形に起因する災害としては、崖崩れや土砂崩れ、河川の氾濫などがあります。また、地層、地盤に起因するものとして、地盤沈下や液状化、土の流出や流入などがあります。

 まずは土地選びの段階で、前述のようなことが起こりそうな場所でないか、現地で確認したり、ハザードマップで調べたり、建築士や土地家屋調査士などの専門家に意見を聞くことが大切です。

 次に、建物の設計や土地の造成工事前に地形や地盤に応じた対策として、杭工事や地盤改良工事、擁壁工事、建物の基礎形状を検討することが重要となります。

(3)は家を長持ちさせることと、住む人の健康を考えたら、空気の流れ、つまり「換気」と「通気」および空気の質が大切になります。家は主に壁の内部、天井裏、床下、屋根の下などの普段見えないところの「通気」を考える必要があります。なぜなら、そういう場所に湿気がたまると、木材の腐れやシロアリの発生につながる可能性があります。その腐れやシロアリなどが、家が災害に対しての耐える力、粘り抜く力を弱めてしまい、長持ちしなくなります。

 住む人にとっては、屋内の空気をきれいにすることと、快適な温度と湿度に保つことが、健康に影響を与えます。そして、その実現のためには「換気」を考えることが重要になります。

 また、家の「通気」も屋内の空気のきれいさ、快適さに影響を与えます。つまり、「換気」と「通気」は人の健康にも、家の健康にも大切なのです。