2位はコロナワクチン製造を受託した企業

 2位はバイオ医薬品の開発を行っている医薬品メーカーのJCRファーマで、865.8万円。前期よりも35.5万円アップした。同社は20年12月に、新型コロナウイルスワクチン原液の国内製造について、英製薬大手のアストラゼネカと業務請負契約を締結し、国内における原液の受託製造を続けている。

 また、主力製品であるヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」の売り上げなども好調で、21年3月期の通期決算では売上高300億8500万円、当期純利益68億9200万円と、いずれも過去最高を記録している。

 3位はタクマで858.5万円。同社は、兵庫県でゴミや水処理、産業廃棄物処理プラント事業を展開する企業だ。同社の主要事業領域においては堅調な需要が常にあり、昨年のこのランキングでも2位にランクインしていた。

 4位は京都府で半導体製造装置を手掛けるSCREENホールディングスで824.3万円。5G(第5世代移動通信システム)の拡大で対応する通信環境・デバイスのニーズが高まっている上、リモートワークの急増に伴って半導体の需要も増えている。同社は、この流れはコロナ収束後も続くと見込んでいて、研究開発にも積極的に投資している。

 5位は大手電気機器メーカーのオムロンで、803.6万円だった。

 同社は11年度からの10カ年計画で20年度(21年3月期)までに売上高1兆円という長期目標を立てていたが、コロナ禍などの影響を受け、前期の売上高は6555億円と未達に終わった。車載事業の売却やバックライト事業の収束が大きく響いた。ただ、その10年間で売上総利益率(粗利率)は36.8%から45.5%と大幅に改善。収益性は大きく向上した。

 なお、今回年収が700万円を上回った企業は100社中26社だった。それらの企業について、業種別の傾向を確認しておこう。700万円を上回った業種で最も多かったのは電気機器の6社で、次いで機械の4社、化学の3社となった。

 電気機器では、前出のSCREENホールディングスとオムロンの他に、シスメックス(12位/739.0万円)、村田製作所(14位/731.4万円)、ローム(22位/708.9万円)、日新電機(24位/705.3万円)がランクインした。

 なお、年収700万円以上の26社の府県別分布は、京都府が14社、兵庫県が10社、滋賀県が2社だった。

(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)