第1位「学校は友だちができなくても当然の場所」
さて、「伝え方グランプリ2021」、いよいよ第1位を発表!
それが、こちら。
「学校は友だちができなくても当然の場所」
またたく間に共感をよび、メルマガやGoogleフォームで圧倒的な票を集めました。2位をすこしだけ上回り、2021年の「グランプリ」に!
閉鎖的な「学校」という空間で、おしきせの考え方に自分を無理に合わせようとしなくて大丈夫。思うように周りになじめない自分がいてもいいんだよ、間違ってないんだよ――。
不安を包み込んでくれるような優しさと、気持ちを上向かせてくれる雰囲気が、多くの支持をあつめました。
コトバを発したのは、ヒャダインこと前山田健一さん。こども時代に学校でいじめにあった経験もあり、孤独を感じることも少なくなかったそう。
そんなヒャダインさんがことし8月の終わりに「今、つらい子どもたち」へ向けて伝えたコトバです。ヒャダインさんのコトバには続きがあります。
「なんとか一日一日を乗りこえ、学校から解放されたとき、自分の好きなものをいっしょにシェアできる友だちが待っている世界、お仕事で新しいことに挑戦できる世界があります」
みずから命をたつ子どもがいちばん多くなるのは、夏休みが終わりにむかい、学校がもうすぐはじまる8月末ともいわれています。
学校が憂うつな子どもたちが、このコトバに接したことで、「学校の外には、また違った景色が広がっているんだ」と、希望の光を感じたケースもあったはずです。そうやって、このコトバが何人かの子どもの命を救ったのだと思います。
命を救った、ひとこと。
それこそが、2021年のグランプリに輝きました。
以上、一般投票でえらばれた「伝え方グランプリ2021」の結果を発表しました。
ここで紹介したコトバたちは、触れた人を、ちょっぴり前向きにする伝え方ばかりです。
2021年は、暗いトンネルの中にいるように、先が見通しづらい1年でした。いつになれば元通りの生活ができるのか、不安が続きました。
それに呼応するかのように増えたのは、ネガティブなコトバ。心がザラッとしてしまう伝え方に触れた人も、すくなくなかったはずです。
その一方で、ぬくもりや情熱を感じさせる伝え方が日々たくさんうまれたのも、事実です。先がぼんやりした時代に生きるからこそ、背中をそっと押してくれるようなコトバは多くの人の心にしみるもの。
来年もまた、素敵なコトバたちにたくさん出会えることを、心から楽しみにしています。